不動産クラウド ファンディングに 確定申告は必要? 確定申告が必要な ケースと手順
不動産クラウドファンディングに確定申告は必要?
確定申告が必要なケースと手順
インターネットを通じて、不特定多数の投資家から、不動産投資への出資を募る新しい不動産投資手法の1つである「不動産クラウドファンディング」。投資家に資金を提供してもらうことで、小額からでも不動産投資を始めることができ、近年大きな注目を集めています。実際に不動産クラウドファンディングを始めて、配当金などを得たときに気になる疑問点の一つに確定申告の可否があります。そこで今回は不動産クラウドファンディングで得た利益の確定申告の必要性と、申請手順について詳しくご紹介します。
確定申告は必要か
不動産クラウドファンディングで得た利益を確定申告する必要性は配当金の額により異なります。
不動産クラウドファンディングは、インターネットで投資家を募り、集めた資金で不動産投資を行い、不動産を保有中に得られる収益や、売却したときに得られる不動産の売却益などを、投資家に分配する投資手法です。
この際に生じた利益に所得税と住民税が発生し、納税義務が生じます。また、配当金を受け取る側には、総合課税の納税義務が生じます。税金を差し引いた所得額に応じて確定申告の有無を判断しましょう。ここからは「雑所得」についてと、確定申告が必要となる条件を解説します。
雑所得として課税対象
投資した不動産から利益が出た場合に配当金を受け取った場合、これらは「雑所得」という扱いになり、総合課税の対象となります。なお、「総合課税」とは、各種の所得を合算して税金を計算する制度のことです。受け取った配当金は基本的に20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、地方税5%)が源泉徴収される形になります。
例えば配当金を25万円受け取った場合、25万円×0.20315=50,788円の税金が発生します。
参考:国税庁「No.1500 雑所得」
必要になる条件
雑所得として課税対象になったとしても、前述の通り源泉徴収という形で納税することになります。つまり給与所得のみ受け取っている場合、確定申告をする必要はありません。しかし、給与所得や退職所得以外の所得が20万円を超えた場合には確定申告をする必要があります。また、源泉徴収税額が正規の所得税額より多くなった場合も確定申告をする必要があります。この場合確定申告をすることで、過納分が返還されます。
確定申告に必要な書類
上記の確定申告が必要となる条件を満たしていた場合には、確定申告をするために必要な書類を揃えましょう。確定申告に必要な書類は下記の通りです。
- ①給与所得や公的年金等の源泉徴収票(原本)
- ②私的年金等を受けている場合には支払金額などが分かるもの
- ③医療費の領収書等、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書、生命保険料の控除証明書、地震保険料(旧長期損害保険料)の控除証明書、寄附金の受領証 など
また、これらの書類のほかに印鑑も必要です。印鑑は必ず認印のものを準備してください。シャチハタ印は使用できません。
引用元:国税庁「申告手続きの流れ」
確定申告の手順
確定申告をスムーズに行うために、確定申告に必要な書類を確認しておきましょう。確定申告の際に準備する書類等は下記の通りです。
- ①所得額の確認
- ②必要書類の取得
- ③確定申告書を作成する
- ④税務署へ提出
- ⑤納税または返還
それぞれ確定申告手続きの流れについて詳しく解説します。
引用元:国税庁「確定申告の際にご持参いただくもの」
所得額等の確認
前述の通り、不動産クラウドファンディングでの確定申告は必要な場合と不要な場合があります。必要となるのは、給与所得や退職所得以外の所得が20万円を超えた場合と、源泉徴収税額が正規の所得税額より多くなった場合です。この条件を満たしていない場合には、確定申告をする必要はありません。まずは所得額の確認をして、これらの条件を満たしているかを確認しましょう。
必要書類の取得
所得額を確認し確定申告をすることになったら、必要書類を取得します。確定申告に必要となる書類は、マイナンバーカードや身分証明書などの本人確認書類・確定申告書・源泉徴収票等です。必要に応じて所得控除に必要となる書類も取得しておきましょう。
確定申告書を作成する
必要書類が全て取得できたら、確定申告書を作成します。確定申告書を手書きで作成する場合は、記入漏れが無いよう記入しましょう。
国税庁のホームページから作成する場合は、下記のページから漏れが無いよう記入しましょう。
国税庁 確定申告書等作成コーナー
確定申告書の作成には上記の必要書類が必要となります。途中で中断し保存することもできますが、スムーズに作成するためにも書類を全て揃えてから申告書の作成をすることをおすすめします。
税務署へ提出
記入漏れ無く作成したら税務署へ確定申告書を提出します。
税務署で確定申告書を受け取り、手書きで作成した場合には、確定申告書を受け取った税務署の窓口へ提出しましょう。記入漏れなどが無く提出が完了した場合には、税務署印を押した控えを受け取ることができます。受け取った控えは大切に保管してください。
国税庁のホームページから作成した場合には、「マイナンバーカード方式」、「ID・パスワード方式」、「税務署に提出または郵送」の3種類の提出方法があります。「マイナンバーカード方式」はマイナンバーカードを取得しており、マイナンバーカードの読み取りができる端末を持っている人のみ利用できます。この方法は、マイナンバーカードを用いてデータを送信することで提出することができます。対応端末は下記のページから確認できます。
マイナポータルAPに対応しているスマートフォン等を教えてください。 | よくある質問|マイナポータル
「ID・パスワード方式」は税務署でIDとパスワードを発行した場合のみ利用できます。この方法を利用して提出したい場合には、事前に税務署に行き、「ID・パスワード方式の届出完了通知」を受け取りましょう。この2種類の提出方法が不可能な場合には、申告書を自宅やコンビニなどで印刷し、管轄の税務署に持って行くか郵送して提出しましょう。印刷はカラーと白黒どちらでも問題ありません。
納税または返還
確定申告書の提出が完了したら、納税をするか返還されます。源泉徴収分が足りなかった場合には不足分を納税します。納め過ぎていた場合には、過税分が指定の口座に返還されます。